平成23年6月2日、日赤会館会議室で平成23年和歌山県市町村保健師協議会総会並びに研修会が開催された。研修会では講師に大阪市立大学の篠田美紀准教授を招き、「高齢者の心理の理解」と題した講演が行われ、県下保健師約60人が出席した。
開会にあたり和歌山県市町村保健師協議会の谷本あけみ会長が「本日の研修会では、認知症の治療や介護予防で取り入れられている回想法についての講演があるので、ぜひ自分のものとして持ち帰り、保健活動に役立てていただきたい」と挨拶した。
来賓として出席した県福祉保健部健康局医務課の岡本課長は「市町村保健師の役割は、ますます高まっていると認識している。県としても高齢者対策等を総合的に推進するとともに、保健師活動に対する積極的な支援を行っていきたい」と述べた。
その後、総会にて議決事項6件について審議され、すべて原案のとおり可決された。
研修会の講演に入り、大阪市立大学の篠田美紀准教授は、まず、高齢期の特徴について触れ、「今までは忙しくて味わえなかった感情が、ふとよみがえってきたりする場合がある」。また「動作能力は低下するが、言語能力については、80歳くらいまでは、ほぼ維持されるという研究結果が出ている」と述べた。
続いて、かつて経験したことを再生する回想法について紹介した。その中で「毎回、必ずテーマを設けて懐かしい小道具を用意することがポイントになり、実際に現物を見たり触ったりすることで、自然にわき上がる感情に直接訴え、豊かなイメージが増幅する」と説明した。
最後に、いろいろ表現をすることが脳の活性化につながるとしたうえで「思い出話は、ひとつの起爆剤にすぎない。内容よりも感情を優先し、よい聴き手になることが大事である」と締めくくり、活気に満ち溢れた研修会も盛会のうちに終了した。
平成23年3月25日、本会3階会議室で、保健活動推進委員会が開催された。
まず、事務局より平成23年度保健事業概要及び特定健診受診率向上のための広報事業について説明を行った。委員から「テレビCMでは、あまり受診を強要する内容は避けたほうがよいのでは」との意見が出され、やわらかい表現でCM作成することで合意した。
また、その中で、昨年度の本委員会で決定した受診率向上ラジオ・スポット放送の作品が、日本民間放送連盟賞優秀賞を受賞したことを報告した。
次に、健診等関係データの作成について、事務局より「これらの統計資料を作成することで、傾向を分析し、状況を把握したうえで、保健指導等に活用していただきたい」と説明。事務局案のとおり作成することで各委員の了承を得た。